2022年01月28日

図版は素晴らしいが

ブリューゲルの世界.jpg

ブリューゲルの世界-目を奪われる快楽と禁欲の世界劇場へようこそ
パイインターナショナル (2020/12/11)
https://pie.co.jp/book/i/5378/


ベルギーで美術展カタログなどを出版している LUIDONの IN DETAIL
 シリーズの日本語版である。
とにかく拡大図版 写真は文句なく素晴らしい。ブリューゲルはボス以上に部分拡大図版が望まれる作品だらけなので、そういう点で貴重である。現著者のSELLINK先生は、あのプラドの聖マルティンのワイン 発見の立役者の一人である重要研究者である。この本でも版画原本風の緻密な素描を多く収録していて、これがまた素晴らしい。
ただ、図版の順序がカテゴリー別になっていて、一つの絵画の各部分がバラバラに収録されているので、一つの絵画をみてその各処を拡大でみたいという場合は、不便である。あくまで著者の脳内・ストーリーのイメージ回廊を案内されているという構成になっている。

また、翻訳文には、どうもおかしなところがあるようだ。45番 ベツレヘムの戸籍調査 の204p拡大図版の解説に「馬に乗っているマリアとヨゼフが。。」という文があるが、これは馬でなくロバである。日本より遙かに家畜が人間に近い欧州のSELLINK先生がロバと馬の区別がつかないはずはないので、これは、なにかの間違いだろう。またヨゼフも乗っているかのように誤解されやすい文章でもある。
当方には英語版、オランダ語を読める人にはオランダ語版のほうが良いかもしれない。

posted by 山科玲児 at 07:42| Comment(0) | 日記
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