2022年02月25日

アンコール彫刻と藤田嗣治

angkor 東京国立博物館所蔵.JPG



 昭和19年戦争中に、日本とハノイに本部を置くフランス極東学院との間で文化財の交換が行われた。
現在、東京国立博物館アジア・ギャラリー地下に展示されているアンコールワットなどの彫刻(イメージ)やクメール陶器などがそれである。日本からは狩野典信筆の山水図、鎌倉時代の木造阿弥陀立像、清水焼猿置物、孔雀蒔絵笙、白綸子地竹折鶴模様小袖、銀造野太刀など、日本の美術工芸品31件を送った。これらは現在行方不明だそうである(ref)。
この交換事業は昭和16年から「国際文化振興会」主導で行われ、早く現代美術の交換もされ、その際介添えとして藤田嗣治画伯がが同行し、ハノイ・サイゴン(現
ホーチミン)で講演を行っている(ref)。

これで、わかるのは藤田嗣治画伯は、従軍画家というような下っ端あつかいではなく、当時の政府や有力者たちに、現代美術のリーダーの一人と思われていたのである。少し前なら故  平山郁夫や岡本太郎のような有名人だったのだ。だから、某氏がフランスから日本に帰った藤田が低評価批判されたと言ったのは誤謬で、それは敗戦後の話である。

なお、当時のフランスはヴィシー政権であり、枢軸国であったことは、隠蔽され忘れられがちである。だからこそ、ヴェトナムのフランス植民地政府・軍隊とは、終戦ギリギリまで友好関係にあった。

ref 東京国立博物館、アンコールの美術ーフランス極東学院交換品目録、1998
posted by 山科玲児 at 07:09| Comment(0) | 日記
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