世の中の本で炭素14年代の乱用無理解を散見することがあります。文系の人は「誤差」を理解しない人が多いようです。炭素14年代は、21世紀初めごろの測定で1/20ぐらいの誤差があったようです。使用する機械や方法によっても違うかもしれませんが、500年前なら30年ぐらい、1万年前なら500年ぐらいの誤差はある。当然、加速器法AMS が導入される以前の測定なら、もっと誤差があるでしょう。昔やった年代測定は再試すべき値も多いのではないかと思います。
ある歴史系学会誌の論文で、「統計学的考察」と銘うって、2.369878451というように10桁もの数字を出すというのがありました。ムチャです。論文にする前に数字がおかしいから2桁ぐらいにすべきだと忠告したのに、指導教授も無視してしまい、そのまま論文になってしまいました。有効数字・誤差という概念をもっていないということであり、実験を全くやったことのない人でなきゃこんなことはできない。
もっと単純に言えば、0.5ミリのシャープペンで、紙に2本の平行線を1cm幅でひいたとしましょう。この幅は正確には何センチなんでしょうか?もし、線自身の幅の不定性まで考えると、0.95〜1.05ぐらいですね。線の中央を正確にわかるとしても、0.99〜1.01ぐらいではないでしょうか? 更にシャープの芯の粉の粒子の大きさが下限になりますね。それより精密にいうことは不可能でしょう。デジタル画像でも実はビットレベル格子の大きさが最小限界になりそれ以上精密な数字をいうことはできません。
無限に桁がだせるのは円周率を計算するとかいう純粋数学のときだけです。