
ネーデルランド絵画の論文サイト
Bernhard Ridderbos
Choices and Intentions in the Mérode Altarpiece - Journal of Historians of Netherlandish Art
https://jhna.org/articles/choices-and-intentions-merode-altarpiece/
これは2022年のリリースなので最新情報といっていいでしょう。
研究史がまず書いてあるので、そこを楽しく?よみました。あとのイコノロジー的分析は煩雑なのであまり読んでません。
このBernhard Ridderbos氏はオランダのフロニンヘン大学の人で、オランダ語の本もあるようなのでオランダ人みたいです。
どうも、メトロポリタン美術館クロイスターズの重宝:メロード祭壇画
https://www.metmuseum.org/ja/art/collection/search/470304
の中央画面「受胎告知」は、ブリュッセルにある「受胎告知」(イメージ)
https://www.fine-arts-museum.be/fr/la-collection/maitre-de-flemalle-robert-campin-l-annonciation
がもとになっているものだ。という見解が最近主流になってきているようで、かなり驚きました。それで、メトロポリタンのサイトでは「工房作」という曖昧な表示になっているのか。。
なお、ブリュッセル作品の画像は論文の中のイメージが割と精緻で、王立美術館サイトのものより良い写真です。
またハンガリーのWEB GALLERY OF ARTにも良い写真があります
どうも例によって赤外線レフレクトグラフィーで絵の下にある下絵素描を観察した結果、ブラッセルのものは変更が多いが、メロード祭壇画には下絵自体あまりないというようなことから、完成された絵画から写されたのでは、、と推論されたもののようです。またメロードの天使の下絵はブラッセルの天使に似ているのですが、その後制作段階で変更されているそうです。でも、それならちゃんと変更があることになるなあ。。矛盾してませんかね。。聖母の姿勢も違うしね。ただ、メロードのほうがより2次的な作品であるということはいえそうですね。
当方、このブリュッセルの絵はかなり前、2006年に、おそらく対になる「聖グレゴールのミサ」とともに観ました。そのときの感想は。。
フレマールの画家(15世紀初期)とされる2枚の絵
「受胎告知」
「聖グレゴールのミサ」は意外と大きく、かつ質が良かった。この2点は全く同じ大きさであり、同じ祭壇画の1部だと考えられているようだ。
ということで、自分ながら、結構良く観察してましたね。後に再訪したときは、「受胎告知」のほうは展示されていなかったので見過ごしました。今サイズをみるとそう大きくないのですが、ずっしりとした絵画で大きくみえたことは確かです。ただ、観たときは同じ大きさにみえたのですが、あとで調べると少し違いました。
当方、このブリュッセルの絵はかなり前、2006年に、おそらく対になる「聖グレゴールのミサ」とともに観ました。そのときの感想は。。
フレマールの画家(15世紀初期)とされる2枚の絵
「受胎告知」
「聖グレゴールのミサ」は意外と大きく、かつ質が良かった。この2点は全く同じ大きさであり、同じ祭壇画の1部だと考えられているようだ。
ということで、自分ながら、結構良く観察してましたね。後に再訪したときは、「受胎告知」のほうは展示されていなかったので見過ごしました。今サイズをみるとそう大きくないのですが、ずっしりとした絵画で大きくみえたことは確かです。ただ、観たときは同じ大きさにみえたのですが、あとで調べると少し違いました。
ブラッセル王立には、どこから入ったのかというと、「受胎告知」は、なんと1910年に英国ロンドンの美術商から買ったものだそうです。ほんとにベルギーの文化財って、流出・略奪がひどかったんだなあ、と思います。