憲法十七条の第一条:冒頭:
を昔はこう憶えていた。
和を以て貴しとなし、さからうこと無きをむねとせよ。(以和爲貴、無忤爲宗)
だが、「和を以て貴しとなし、」は良いとしても、「さからうこと無きをむねとせよ。」はどうかっと昔から思っていたものだ。まあ七世紀始めの古代だから、こういう支配者が部下に絶対服従を迫るような言い方になるのかなあ、と思っていた。
でも、本当の読み方は、「さかふること無きをむねとせよ。」
石井公成氏の
聖徳太子 実像と伝説の間
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393135877.html
によると「さかふること無き」というのは仏教用語であり、粱陳時代の成実論派の僧侶の徳目であったことがわかった。要するに「喧嘩しない、争わない、」ということのようである。これはだいぶん印象が違う。成実論派を否定した三論派にはずいぶん強行な人がいたそうで、破邪顕正をふりかざし、殺された人もいたそうである。
タグ:聖徳太子