2022年08月06日

NHKとジョルジュ・ド・ラトゥール

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NHK BS  の  ルーブル 番組を、東京の  アパホテルで観た。
  ほんのちょっとの時間だが、
17世紀フランスの画家:ジョルジュ・ド・ラトゥールについての、ナレーションには、呆れてしまった。NHKは映像や音楽は良いが 脚本が、そうとうひどい。

 「ラトゥール」が第一次世界大戦ごろから研究が進んで、優れた画家として再発見されたのは確かにそうであるけれど、
「いかさまトランプ」(イメージ左)自体は1930年代の発見再評価であって、2つの世界大戦には関係がない。
 その「いかさまトランプ」をあたかも20世紀の戦争の時代と関係があるかのように解説するのはいかがなものか?

 ナチス占領、ヴィシー政権下の抵抗運動の中で、特に詩人ルネ・シャールがラトゥールの「ヨブと妻」(ロレーヌのエピナール イメージ右)のカラー複製を「逆境に負けない不屈のフランス人」の象徴として普及させたのは、確かである。しかし、それはルーブル美術館にあった作品ではない。
 20世紀の戦争と関係があるとしたら、戦争でフランスが貧窮したために、ワシントンナショナル・ギャラリーの「ファヴィウスのマグダレーナ」やメトロポリタンの「女占い師」など、優れたラトゥール作品がアメリカへ流出し、フランス人の憤激をかったということだろう。
 確かにラトゥール作品の背景にはロレーヌとブルボン朝フランスとの戦争でロレーヌが荒廃したという背景がある。ロレーヌの画家版画家は国外で活動するはめになった人が多い。むしろそこに、20世紀での亡命画家たちの運命に重ねればよかったのにね。そしてラトゥールはむしろルイ13世占領軍パリ政権側にたった人であり、ロレーヌからいうと売国奴である。

昔、故宮博物院の本をNHKプロデューサーが書いていて、あまりひどいので呆れたことがあった。脚本家プロデューサーあたりに問題があるのかもしれない。

posted by 山科玲児 at 06:16| Comment(0) | 日記
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