2022年08月31日

ロヒール・ヴァン・デル・ウェイデン本 その14



ロヒール・ヴァン・デル・ウェイデン: 情動と優美のフランドル画家 単行本 – 2020/9/24
勁草書房
https://keisobiblio.com/2020/10/12/atogakitachiyomi_rogier/

巻末近くにある「年譜」を読んでいて、ちょっと気になったのは「年金」のことである。

>1435年19月21日に、トゥルネ市はブリュッセル在住のロヒールと妻と二人の子に年金を支払う

当時、画家は35歳前後。それで年金? しかも他の町に住んでいるのに。トゥルネ市に大きな貢献とかあったのか? どうもおかしい。これは「年金」ではなくて、公債市債の償還みたいなものではなかったか? イタリアの都市コムーネでは13世紀から公債を資金源にしていたから、公債は当時の都市ではさかんに行われていたはず。 あるいは、貯蓄型一括払い保険みたいなものでは。85年後にアルブレヒト・デューラーがカール5世に請求したのは、確かに毎年 帝国自由都市ニュールンベルクから支払われる年金だったが、このロヒールのものは、ちょっと違うように思う。

posted by 山科玲児 at 08:03| Comment(0) | 日記
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