2022年09月23日

北京のソバ


中国人の食文化は、毛沢東によって、かなり破壊されてしまったらしい。


中国人が「そばを食べない」理由、蕎麦の原産国なのになぜ?
莫 邦富
https://diamond.jp/articles/-/310189

という文章がある。
>麺類として成り立っている日本の手打ちそばは、中国人の食文化にはなかったようだ。
を読んで仰天してしまった。

少なくとも、中華民国時代の北京の庶民の食事の一部には、切麺のソバがあったのだ。羊のスープで辣油をかけて食べるというものだったそうだ。これについては、下記の1997年に当方が書いた小文参照。なお、1936年6月16日刊行の「宇宙風」19集には、「そば粉で作った餅」が北京名物としてあげてあった。

つまり、毛沢東がやった大躍進・文化大革命という動乱愚行のために、食文化さえ滅ぼされたのかもしれないと震撼した次第である。あるいは、莫 邦富氏が無知で、読者を馬鹿にした駄文を書き飛ばしているんだろうか??

******************* 記  ******************
1997年にあるサイトで投稿した文章::
北京のソバ
燕京郷土記(ケ[登邑]雲卿,1985)は、おもしろい本ですが、日本語版 は、やむをえないとはいえ省略が多く、しかも省略箇所を「以下略」と いう形でも明示してないので、困ってしまいます。原本が幸い、てもと にあるので、日本語版では省略された、食べ物の話の章をみてみます。
  「北京の麺」という章では、炒醤麺、麻醤麺(胡麻だれ冷やし中華)、あんかけ麺、 と話がすすみます。炒醤麺では、「たん面醤や豆バン醤は、六必居醤園のような 老舗で買う」となっているのが、いかにも都会です。1990に私は六必居醤園 を訪ね、漬物を買いました。 あんかけ麺は、お客がきたとき大量につくるもののようです。 そのあと、なんとソバがでてきました。中華ソバではなく、 日本でザルソバ、年越しソバにしている、あの蕎です。 手打ちの断面が四角なソバを、羊肉スープで食べるところがいかにも北京です。 穴から押し出してつくるソバもあります。 そして、ソバがきがあります。これは、冷やして切って、トコロテンみたいにタレ で食べるもののようです。さらにソバがきを赤く着色して、ラードで炒めて食べる 「腸詰もどき」とでもいうべきもの(灌腸)という妙なものまで北京小菜として 紹介されていました。最後は、ソバ皮の餃子で〆です。
 あまり高級な料理とみなされていないのか、私はまったく触れたことはありません。 食べてみたいと思っています。
   
posted by 山科玲児 at 10:11| Comment(0) | 日記
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