2022年11月20日

宮 又一 氏

目の眼2021dec 宮又一.jpg

目の眼 2021年12月号は、山中商会の特集号だった。

動画もあります https://youtu.be/Z4iOESpaC-8

 雑誌記事中で、昭和8年、柳宗悦氏が山中商会の展覧即売会に行って、ある明末陶磁器の色絵鉢に魅せられたのだが、数日たって、山中商会の大番頭 宮又一氏が柳宗悦氏の自宅にもってきて
「貴方がもしお望みなれば、代はいつでも結構ですから、置いて参ります。」
といったという。
 その 天啓赤絵の鉢はネットでも紹介してある。
日本民藝館 赤絵丸文繁深鉢
https://mingeikan.or.jp/wp-content/uploads/2021/03/ch_08.jpg

  口縁の形が少しおもしろいが、当方なら無視する陶磁器だ。柳宗悦と私は全く好みが違うようだ。

  この宮氏は、矢代幸雄氏が紹介していて、面白い人物だと思っていたが、ようやく顔を知ることができた。これは集合写真から切り抜いたイメージのようだ。

2018年に  宮 又一氏
  http://plaza.rakuten.co.jp/yamashinaReiji/diary/200806160000/
 という日記記事も、むかし書いておいた。

 宮氏の伊勢の千代崎に邸宅にあった田舎屋は戦後、紀尾井町の超高級料亭 福田屋( 日本の政治家要人御用達の接待用)に再度移建されて使用されていたようである。現在の福田屋にあるのかどうかはわからない。また、伊勢の千代崎ってどこにあるのかな?と思ったら、いい地図があった。
http://suzuka21.com/blog/wp-content/uploads/2018/01/b31f4477a3e599926425aaaafa5ede52.pdf

 この田舎屋 趣味というのは、実は 益田鈍翁、松永耳庵をはじめとする当時の大富豪茶人の趣味だったようで、宮氏のそれも、先行したそれに呼応したものだったようだ。
  松永耳庵の茶会記録に見られる「田舎家」に関する記述
   file:///C:/Users/yamashina/Downloads/%E9%80%A014-12-1.pdf
  近代数寄者の茶会記録に見られる「田舎家」に関する記述
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/78/687/78_1151/_pdf

  ただ、宮氏の個人収集には相当民芸品的なものも多かったようで、それが柳宗悦のセンスと上手くあったのかもしれない。どうも、柳宗悦の「民芸」は大富豪たちの趣味サークルの中からでてきたものではないか??と思われるところが、ここでも垣間見ることができる。
 矢代幸雄氏にも多少そういうところがあるが、矢代氏は趣味の幅が広いので、大和文華館の収集で誤ることは無かった。



imari yousai yasiro yukio yanatobunnka15a.JPG

イメージは矢代幸雄氏が宮又一氏からゆずってもらった 伊万里写しの中国製の洋彩盃(Source REf 写真著作権消滅済み)
Source REF 昭和29年(1954)  「歎美抄 酒盃集」『大和文華』No.15

posted by 山科玲児 at 08:00| Comment(0) | 日記
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