2022年12月10日

右と左

乙巻 (2).JPG

矢代幸雄の私の美術遍歴 (1972年)を読んだら、

東海岸のボストン、ハーヴァードの老大学教授が絵巻物を右から左へと鑑賞することを長年知らなかったという逸話が書いてあった。
しかし、当方も、東京国立博物館で、特に中国絵画の巻物の場合、しばしば左から右へ観る客と衝突することがあった。最近は少なくなってきたのは、知識がネットなどで普及してきたからだろうか? イメージは鳥獣戯画乙巻
  やはり、こういうのはお約束、なんだから、礼儀作法・マナーの教育と同じく、義務教育で教えるべきものではないか?と思う。
 ローマ時代ではパピルス巻物が多かったので、パピルスの絵巻物があってもよさそうなものであるが、事実上残っていない。エルコラーノのパピルス荘からでた炭化したパピルス巻物のようなものはあるようだが。。
 ヴァチカンに、ヨシア画巻
というのがあるそうだ。これはたぶん左から右へ観ていくものだと思う。羊皮紙の巻物である。

  中近東ではヘブライ語アラビア語などは右から左だそうだから、死海写本の巻物は右から左だろう。 ユダヤ教のトーラーは巻物になっているようで、専用の閲覧用の器具まであるようだが、これも右から左なんだろうと思う。


posted by 山科玲児 at 09:38| Comment(0) | 日記
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