松井如流、中国書道史随想、二玄社, 1977年 de
で賞賛されていた大観帖第六局榷場残本だが、どうも2017年に南京で公開されていたらしい。文革で破壊されてなくて良かった。
香港のサイトでの紹介
海內孤本王羲之墨跡摹本《大觀帖》南大首展
http://www.jdonline.com.hk/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=23&id=35411
1934年に南京大学に寄贈されて以来、あまり観た人はいなかったのではなかろうか。
コロタイプ影印本なのか、焼き付け写真なのかが日本にもちこまれ、
大観帖第六局(巻)榷場残本 (晩翠軒): 1930
大観帖第六巻 寉場残本. 解説. 冊数, 1帖. 著者, 伏見冲敬解説并釈文. 絵師. 版元(出版社), 書学院出版部. 刊年, 昭55 (1980)
という翻印本が出版されて歓迎され、
松井如流先生も習ったわけである。書品 第20号、東洋書道協会、1951年が初出だから、晩翠軒本みてるのかなあ。
当方も上のような影印本しかみていないが、北京にある大観帖よりもずっと良いもののようにみえる。
この残本への翁方綱の執着はもの凄く、乾隆帝が快雪時晴帖に書いた以上の題記や跋を書きまくり、「大観帖歌」やら「晋書堂歌」やらを作ってそれを書くという力のこめかたである。上イメージの書きまくりしたものは、そのほんの一部に過ぎない。どうも2017年の展覧のときも、この執念深い、膨大な跋は全部公開されたわけではないようである。