2023年03月16日

料理物語の鳥料理

1643年版の料理物語(ref)には、

鶴、白鳥、カモ、雁、雉、山鳥、クイナ(二種)、鷺、ゴイサギ、ウズラ、ヒバリ、鳩、シギ、ツグミ、雀、鶏と

鳥・野鳥の料理が列挙されているが、カラスはない。

熊野のカラスのお札をみてもわかるように、日本では身近にいた鳥だったはずだ。

 同じように、みじかにいた獣でもネズミの料理はない。
(ちなみにアメリカ大陸のペルー ではあった。テンジクネズミの系統の動物だが)
 犬の料理は一つある。

  カラスは神様関係だから忌んだというなら、春日の神鹿とされた鹿は堂々と「第五 獣の部」の献立のトップにあがっている。そして、コオロギをはじめとする昆虫食もない。

   これは、食べた連中が絶滅したり、伝染病風土病の巣窟になったりという、災厄があったのだろう。

 人肉食のタブーも社会をまとめていくためという側面のほかに、プリオン病の防止という側面があったはずだ。

ref 料理物語 原本現代訳 131  教育社、 1988
posted by 山科玲児 at 10:46| Comment(0) | 日記
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