リーノ・ビヤンキ, パレストリーナ その生涯、 2000/9/4、 カワイ出版
https://honto.jp/netstore/pd-book_01667751.html
これ自体も2段組で430p以上もある分厚い労作だが、
監修者金澤さんの文章を読むと、原本の半分ぐらいの抄訳な上に、332−335pの天正少年使節の話は、日本語版で加筆したものだという。
原本はイタリア語で1000pもあるという大冊だという。作品研究・解説の後半部分をカットして「生涯」の部分を翻訳したものである。どうりで作品リストすらないのはおかしいなあ、と思っていた。
出版の都合で、部分訳になってしまうのはしょうがないが、加筆というのはいただけない。この加筆は、たぶん著者ビヤンキ氏とローマ在住訳者との共同作業なので、問題は少ないと思うが、付録とか注釈にしておいたほうが良かった。
なにしろ、パレストリーナについての大きな日本語の本はこれしかないようなので、引用するときの信頼性が担保できないようなことをやってほしくなかったのだ。