2月28日にも書いた翰香館法書だが、いままでもあきれるほど自分で何度も書いていた。
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/54198478.html
http://reijibook.exblog.jp/5484802/
http://blogs.yahoo.co.jp/npm_friend/10034272.html
ただ、いろんなアイディアのモトネタとしては面白い素材だ。例えば淳化閣帖でうるさくいわれる銀錠紋だが、このイメージでは、露骨に本物の銀錠紋がこれでもかというほどでてくる。
やはり昔、中村不折が指摘したようにヒビの入った版木を締めて修理するための道具であることが明晰にわかる。
一七世紀以前の木版による法帖版木なんてほとんど残っていない。今みる法帖原版はほとんどが石である。石じゃ銀錠紋なんてないわけである。この翰香館法書の原版は木板だが、奇跡的に残っていたので、こういう修理状況までみることができるわけである。逆に清時代の上等な拓本の剪装本だったらこういう修理痕はみることができなかっただろう。この点、安物の新拓にも価値がある。
拓本を折帖にするときも、できるだけ周りを切らないように、原板の形を残すようにするつもりだ。
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