2013年05月30日

ボストン美術館の元氏墓誌



元氏墓誌IMG_7602 (1).JPG


 戦前の篤学の人:奥村伊久良氏が個人誌「瓜茄」第一号巻頭で、鬼神の図像研究としてとりあげたのが、北魏 正光3年(ACE522)の馮邑妻元氏墓誌に彫ってある様々な鬼神の図像である。これらの鬼神には名札のようなものがついているものが多いので、6世紀当時の鬼神の名前がわかるという希有な資料でもある。この資料は、小杉一雄など日本の研究者がとりあげていたのだが、昔、どうも日本の古美術商:浅野梅吉氏の所蔵だったらしい。そのため、日本で知っている人が多いのだ。王壮弘氏は現在の所在を書いていないが、偶然オークションサイトの情報でボストン美術館にあることを知った。

まあ、戦争でなくならなかったことはなによりである。
 http://www.mfa.org/collections/object/epitaph-tablet-for-lady-yuan-17896

イメージにあげた、古い写真(昭和11年2月号の書藝 掲載)と比べると、蓋の左端が明らかに破損している。ボストン美術館の番号から推定すると、1936年の購入のようなので、どの時点かで破損したのだろう。


この件は、神戸大学の 田林 啓 氏が
 2010年に科学研究費を使ったプロジェクトで、いってみているようだ(下記)。官費で長期の研究旅行ができるのは、羨ましい限りだが、とにかく間違いなくあるということはわかるし、日本の美術学会では一応しられているもののようである。

http://kaken.nii.ac.jp/d/p/08J03235
>4月には3週間程かけて米国のボストン美術館、ミネアポリス美術館、フリーアギャラリーを訪問し、中国南北朝期の仏教美術及び墓葬美術の調査を行った。この調査では、特にボストン美術館所蔵の西魏期の造像碑、馮邑妻元氏墓誌、寧懋石室、そしてミネアポリス美術館の鍍金石棺を実見し、それらの様式、制作技法、構図を細部に渡って調べることができたことに大きな意味があった。この

posted by 山科玲児 at 07:48| Comment(0) | 2013年日記
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