2014年05月07日

仏像写真の開拓者



  奈良で仏像写真 古寺写真を専門にやり、臼杵石仏の写真撮影までやった、古美術写真の開拓者:工藤利三郎氏については、故 安藤更生氏が昭和4年に「東洋美術」三号(飛鳥園刊行)に追悼文をのせている。
 この追悼文が、なかなか素晴らしいので、あえて全文を原本から引用させていただく


工藤利三郎翁の訃

奈良の古美術写真師精華工藤利三郎氏は此程中風にて臥病中であったが、ついに去る7月11日逝去した。 氏は実に我が国古美術写真の草分けとも云うべき人で、今日の如く古美術の流行を極めざる以前、既に明治十年代においてその草分けを務め、その後累年の撮影にかかる種板は萬を超え、大いに学界美術界を益した。性来甚だ酒を好み、酔えば眼中怖るるものなく、今日古美術研究にたずさはる者にして、翁の奇矯なる一喝を被らざるはなきほどである。餘りに狷介不羈の為め扁狭なる土人に容れられず、晩年はその功業の割には寂しかった。その主著『日本精華』は業績の精脳にて、名著として知らぬものはない。今その訃を聞いて深く哀悼の意を表する。




工藤利三郎のガラス乾板は、
奈良市写真美術館に入ったようである。。
工藤利三郎
http://www1.kcn.ne.jp/~naracmp/gallery/gallery_about.html
http://www1.kcn.ne.jp/~naracmp/gallery/gallery_kudo.html
タグ:工藤利三郎
posted by 山科玲児 at 19:41| Comment(0) | 2014年日記
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