2019年04月19日

小楷釈文

故宮  冒頭8.jpg


法書要録に収録されている  武平一  「徐氏法書記」
には、則天武后時代の宮中の王羲之書の収蔵状況の話が書いてある。

そこに梁時代の宮廷の表装をした巻物がかなりあった。それらは、
「章草書多於其側帖以真字楷書」だったという。つまり、梁時代には、あるいはそれ以後かもしれないが、草書の手本に楷書で釈文をつけていたのだ。これは、案外「楷書釈文をつけた」話としては、古い文献かもしれない。勿論、陳隋の智永の千字文は真草なので実物としては「釈文」といえないこともないし、実物証拠として最古といえるから、智永のほうが優先するかな? また、正倉院の献物帳の「眞草千字文203行」も、まあ古い記録だろう。

開元天保あたりの模写本とおもわれる、台北國立故宮博物院収蔵の「唐人  十二月朋友相聞書」(イメージ)

唐人十二月朋友相聞書 冊  (台北國立故宮博物院サイト)

にも小楷釈文がついている。ところがこれは左に釈文をつけるという例外中の例外な書き方をしている。あるいは左利きの人が書いたのかもしれないが、珍しい例である。これについては、

故宮本  十二月朋友相聞書(2011) 

後に、台湾の王三慶氏が西域文献学の観点からより詳しい論文を書いているようだ。

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2019年04月18日

毎日新聞と中国共産党

毎日新聞が、中国共産党の大きな意見広告を、定期的に紙面に出して、稼いでいたことは、一時話題になったが、
そのもとになった、英国ガーディアン紙のレポートをあげておきます。

部数でいえば、ここで調査対象になった新聞のうち世界一多いんだな。
そのためか、中華人民共和国政府からの入金は、年五−十億円ぐらいじゃないか??と推定されております。
 米国の新聞なんか地方紙中心でNYTにしてもワシントンポストにしてもウオールストリートジャーナルにしても発行部数では産経ぐらいだから。読売・朝日の発行部数には到底及ばない。 これは日米戦争前後の戦時統制と関係があるのかもしれない。

posted by 山科玲児 at 09:41| Comment(0) | 日記

定武蘭亭でした

現在はメトロポリタン美術館にある
翁同和旧蔵 晋唐小楷帖
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/41477

に収録されている蘭亭序ですが、よくみたら、定武蘭亭の一種でした。原刻ではなくて、なんらかの重刻だと思います。
台北故宮の「宋拓越州刻晋唐小楷」 册もそうなんですが、こういう晋唐小楷帖に蘭亭序が紛れ込んでいることは少なくないようです。

なんか蘭亭序って、「小楷」というカテゴリーとは違うとおもうのですけど、紛れ込んでいることがあるのは事実なので、調査のとき見落としがないように注意が必要なようですね。



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2019年04月17日

田中角栄がもらった楚辞集注


毛沢東評点二十四史 木口.jpg




 1972年に、中華人民共和国成立以後最初に北京を訪ねた日本国内閣総理大臣  田中角栄が毛沢東からもらったのは、漢籍の「楚辞集注」だったということは、当時、話題になった。 
しかし、それがどういうものだったのか?ということは報道されなかったと思う。私は、漠然と、宋元版は無理にしても、古版の本を贈ったのかなあ?と思っていたら、実は違いました。

広陵古籍刻印社が出版した  楚辞集注  宋 端平刊行 本の再刊なんだそうです。一応、木版印刷のようです。

人民中国のサイト
•中国伝統の技
江蘇省揚州市 伝承の古籍復刻技術 世界文化遺産に登録広陵古籍刻印社

>1972年、毛沢東主席が田中角栄首相に贈った『楚辞集注』は、広陵古籍刻印社の製作したものである。
だそうです。

なんか、なあんだ。と思ったものです。どうも、当時、読売新聞社がやっぱりこの複製本を輸入して箱に入れて日本で売ったことがあるようですね。

こういうのを観ると、外交官や政治家が贈答されるものって、古美術的観点からはあまり面白い物はないんだなあ。と思ったものです。

ちなみに、広陵古籍刻印社が出版したものに、

毛沢東評点二十四史 精華解析 4函24冊 1999 線装本 揚州広陵古籍刻印社印 (イメージ)

もあります。毛沢東評点 というのが不気味なんですけどね。。

posted by 山科玲児 at 09:45| Comment(0) | 日記

翁同和旧蔵 晋唐小楷帖



翁同和旧蔵 晋唐小楷帖は、昔
Tseng Yu-ho Ecke, Chinese calligraphy, 1972, Philadelphia Museum of Arts
で紹介されて以来、楽毅論など、他のものとは系統違うようで、面白いと思っていましたが、
現在はメトロポリタン美術館にあって、
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/41477
カラー画像を観ることができるようです。

いわゆる宋拓  晋唐小楷帖には偽物が多いので、批判的に観ることも大事ですが、なかなか興味深い資料ではないかと思います。
posted by 山科玲児 at 08:52| Comment(0) | 日記

2019年04月16日

パリのノートルダムで火災:尖塔崩壊

パリのノートルダムで火災:中央部にある尖塔が崩壊したようだ。
修復工事中の火災らしい。

これで、苦々しく思い出すのは、昭和24年1月、GHQ占領中の日本でおきた
法隆寺金堂火災である。
これも修復工事中の火災である。
壁画の大部分が事実上なくなった。

今のパリは、日米戦争に敗戦し、多くの大都市が焼け野原になった日本と同じくらい人心が荒廃しているらしい。


posted by 山科玲児 at 09:06| Comment(0) | 日記

呉歴の墓表

呉歴   墓表ss.jpg


で、上の墓表銘文拓本の精細イメージをアップした。

このイエズズ会墓地は文化大革命で破壊されたんだそうで、この原石もたぶん破壊されただろう。


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2019年04月15日

呉歴とカトリック

呉歴   墓表ss.jpg

で書いたように、「呉」こと画家:呉歴(1632-1718)が、五六歳(1688)以降カトリックの宣教師になったことは知られている。

 昨年は、実は呉歴逝去300年というので、呉歴がカトリック教理を学んだマカオで


があったようである。身辺があまりよくなかったこともあり、見過ごしてしまったが、良い展覧会だったようだ。残念。

このことを知ったのは最近だったので、昔買った、香港政庁出版の展覧会図録:清初六大家与呉歴
の英文の部分を読見返してみた。実のところ中文の抜粋解説のほうが読みやすいので、長文の英文解説は真面目に読んでいなかったのだ。
 呉歴がイエズズ会宣教師として上海で死んでいて、墓の銘文が上記イメージのように残っていることは、前からこの本で知っていた。最上部にイエズズ会の紋章がしっかり入っている。しかし、呉歴の洗礼名シモン・グザビエは、イエズズ会の記録によれば、幼児洗礼のときのものだという。これはどういうことなのか?? 呉歴の両親はカトリック教徒であった、とみなさざるをえないのでは? 少なくとも、父が亡くなって母が兄弟三人を育てていたときカトリックに改宗したのだろうか? 常熟の呉歴の家の隣はカトリック教会だったそうなので、縁はあったとおもうのだが。。一時、仏教にも帰依しているので、この幼児洗礼は、日本のミッション系学校で安易に洗礼を受けて洗礼名をもらいその後は普通の日本教徒として過ごしている人々みたいな人生を送っていたのかもしれない。母の死にあって信仰を深めてカトリックに再度帰依したのだろうか??

 しかも、呉歴の作品の中にはカトリックの神父に献呈したものもありそうだ、という。

  従来の、なんとなくの印象では、宣教師としての呉歴と画家としての呉歴を分けて、人生の前半を伝統的中国人画家としての呉歴、後半をカトリック宣教師としての呉歴と考えがちであるが、どうも、実態は違うように思う。

  なんとなく、中華人民共和国の中では、カトリックとしての呉歴を強調しないように覆い隠すようにしているような論調・解説が多いようだが、どうも現実は違うようである。


posted by 山科玲児 at 08:03| Comment(0) | 日記

美声

vespro savall.jpg



モンテヴェルディ、『聖母マリアの夕べの祈り』は全部の実演は1度くらいしか聴いたことがなく残念に思っている。

この曲のCDは多いのだが、やはり、このジョルディ・サヴァールの名演を聴いてしまうのは、歌手の美声のためだろう。当時の古楽の超一流どころばかり集めたもので、バスの人など他の団体での『聖母マリアの夕べの祈り』レコーディングにも参加しているが、この演奏のほうが良い。これを聴くと、もともと歌手の妙技・美声を聴くために作曲した作品ではないか?と思うくらいである。なかでも、繰り返し聴いて凄いのが、マニフィカート(楽器付きのほう)のSuscepit Israel, puerum suum, recordatus misericordiae suae,のところだ。二人のソプラノ、キヤールとフィゲレス(故人)の声が絡み合う炎のように天に昇っていくような表現は、何度聴いても感動する。幸い、youtubeで抜粋があるので
3分20秒−4分45秒あたりを聴いて欲しい。CD,sacdに比べてそうとう遜色があるとはいえ、魅力を失ってはいないと思う。
Vespro 13/13: Magnificat part 2
https://www.youtube.com/watch?v=b5rQWBGEyyE

聖母マリアの夕べの祈り』 サヴァール&ラ・カペッリャ・レイアル・デ・カタルーニャ

posted by 山科玲児 at 06:59| Comment(0) | 日記

2019年04月14日

緑端筆洗

緑端  筆洗.JPG

緑端筆洗
https://reijibook.exblog.jp/28195540/
をアップしてみました。
結構使いやすいものですね。
posted by 山科玲児 at 09:44| Comment(0) | 日記