2017年07月23日

九龍図巻 追加ニュース

Boston Nine Dragons.jpg


美術館で開催予定のボストン美術館展で展示されてる

南宋  陳容
九龍図巻

大きなケース使って  九龍全部鑑賞できるそうです。これは朗報ですね。

posted by 山科玲児 at 17:49| Comment(0) | 日記

天使のラッパ

Breugel Marijnissen  ss.jpgLimburg.JPG


ブリューゲルの世界  森洋子  とんぼの本
http://www.shinchosha.co.jp/book/602274/
を読んでいあたとき、気になったことをまた一つ、


上のマレイニセンのブリューゲル本のカバー(イメージ)にもなっている色鮮やかな


のことである。

そもそも、これは、この題名「叛逆天使の墜落」でいいのだろうか?キリスト教絵画で、こういう場面は実は2つあって、歴史の初めに神にさからった天使が天から落とされ悪魔サタンになったという場面と、黙示録第八章に描く最期の審判の前に天使ミカエルと悪魔の戦いが天上で行われるというところである。

普通「叛逆天使の墜落」というと、前者のほうを意味していて、典型的な絵はランブール兄弟の絵


また、更にアルカイックなランブールの種本らしい

である。

ところが、このブリューゲルの絵では四人の天使がラッパ・トランペットを吹き鳴らしている。
これは、黙示録の天使のラッパとして有名なもので、黙示録では七人だが、絵画の場合は四人ぐらいに省略して描かれることが多い。

そうすると、これはむしろ黙示録のほうを描いた作品とみなしたほうがよいようだ。
Pietro Biamconi, 1968もそう書いている、適当な題名がすぐには思いつかないが、
ちょっと書いてみた、






posted by 山科玲児 at 13:47| Comment(0) | 日記

グローバル化と伝染病

最近、ヒアリの日本への侵入が話題になっているが、逆に日本から海外への害虫侵略というのもあるようである。

エボラ出血熱の事件でもわかるように、

グローバル化というのは、伝染病や害虫の世界への散布:大災害でもある。

それは、

八世紀ごろから、何度も何度も実証されてきた事実。それ以前だとあまり記録がないから、、


7,8世紀ごろ;朝鮮半島との交流・遣隋使・遣唐使にともなう 天然痘の日本侵入、人口の1/3ぐらいが被害にあったというのだから、これは、免疫のない人間集団に凶悪なウイルスが襲うケースだろう。 仏教を物部氏などが排斥したのも、こういう大災害が外国からもたらされた=外国の神仏教に対する日本の神々の怒りだということだった。


十三世紀:モンゴルの世界帝国:ペストが世界を席巻
 ペスト自体が中央アジアまたは現在の中華人民共和国最西部から出たもののようで、それがモンゴルの世界帝国のなかで広がり、最後にヨーロッパを十四世紀に襲ったということらしい。これについては、ペストではなく別の病気だという説もある。いずれにせよモンゴルによるグローバル化なしではこの病魔はありえなかった。


十六世紀:西洋人の新大陸征服:天然痘をはじめとする伝染病がインディオを殲滅

十六世紀:新大陸 たぶんカリブ海周辺の風土病だった梅毒がユーラシアを席巻、日本まで到達した。これは売春・強姦のグローバル化がなければありえないことだった。


二十世紀:アフリカの小地域?の風土病であったエイズAIDSが世界に蔓延


二十一世紀:中国南部で起きた人獣伝染病SARS

                アフリカの小地域でコウモリから伝播した人獣伝染病 エボラ出血熱



posted by 山科玲児 at 09:06| Comment(0) | 日記

2017年07月22日

古代ローマ小説サテュリコン 伝世の歴史

全訳サテュリコンSatyrikon ss.jpgSatyrikon Carrington ed ss.jpg

  現代の小説、まあ日本なら、明治以降の有名小説なら、どれが定本だかわからんとか、十分の一しか残っていないとかいうことはないだろう。勿論評判にならなった本は消滅してしまったものも多いだろうが、それはしょうがない。
 しかし、源氏物語なら、定本の問題があるし、当時の王朝小説では部分的にしか残っていないものも多い。 1/2程度しか残っていない寝覚物語については、現在でもなお復元の努力がされていて、中村真一郎氏が「王朝文学論」に面白く解説されていた。ヒルメロ風だという批評もあるようだ。
源氏より200年ほど前の 李白の場合、有名な五言絶句にすら異同がある。
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/179737674.html

もっとも、二十世紀前半、ロシアのブルガーゴフ「巨匠とマルガリータ」も書誌的問題がある。
 決定稿がなく、作者が書いた一応の完成原稿が2種類もあり、部分原稿もあわせると6種もあるという状態だから、1973年版と1990年版でかなり異同があり、それをどう処理するかは校訂の問題らしい。実際、旧訳であった文章がなくなっていたりする。

 このように、古い文学作品の場合(場合によっては二十世紀文学でも)、テキスト伝世の歴史というのが単なる背景や関連研究ではなく、その文学作品そのものの鑑賞評価にすら関係してくる重大事になる。しかし、しばしば無視する学者?がいるのは残念だ。

さて、フェリーニの映画がきっかけで知った、古代ローマ;ネロ帝時代の小説

 ペトロニウス作  サテュリコンは、まことに興味深い小説だが、
現代、容易に入手できる翻訳はこれしかない。

 サテュリコン―古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫)   1991/7/16
 ペトロニウス,  
(翻訳) 国原 吉之助(國原 吉之助、くにはら きちのすけ、1926年 - 2017年4月25日)
http://www.amazon.co.jp/dp/4003212215
  この岩波の翻訳はあまりよくないような感じがするだけでなく、なによりも写本や印刷本の伝世の歴史について何も書いていないのが気に入らない。ひょっとしたら欧米の翻訳や校訂を無批判に丸呑みしているのではあるまいか。
 十分の一程度しか残存してないという惨憺たる現状なので、なおさらテキストの問題は重要ではあるまいか?
 65年も前の『全訳 サテュリコン 』岩崎良三訳 創元社 1952 (イメージ) のほうが優れているようである。
 本来、得意なはずの西洋古典について、岩波書店のレベルが下がっているのではないか?と危惧するところである。
 ただ、Wikipediaの解説も膨大浩瀚なフランス語板に比べて日本語版英語版は貧弱である。専門外ではあるが増補したくなった。


  『全訳 サテュリコン 』岩崎良三についている解説と、Paris, 1902. Published by Charles Carrington(イメージ)についてる序文( これ自体が、
Dictonary of Greek and Roman Biography, Art "Petronius", p118
William Ramsay (1806-1865)が書いた部分からの引用) をもとにして、抜粋紹介する。
***
断片が初めて公刊されたのは、1482年ごろミラノに於いてAntonius Zarotusによる印刷本であった。その後、 1499年、  ヴェネティアでBernardinus de Vitalibusによる, 4つ折り本の刊行。  ライプチッヒで、1500年に、Jacobs Thannarによって刊行された
しかし、これらは、現在あるサティリコンテキストの小部分に過ぎない。
17世紀半ばに、ダルマチアのトラウTRAUで、写本が発見された。Codex Traguriensisというもので249Pある本らしい。これは古代文学などを抜粋した写本で、その185−229にサテュリコンが入っていた。この写本はフランス語板Wikipediaによると、最近2011年にパリ国立図書館にはいったらしい( Paris, Bibliotheque nationale, Lat. 7989)

この写本の カラー画像はイリノイ大学デジタルコレクションにある。  トリマルキオの饗宴
https://digital.library.illinois.edu/items/d5780260-1a07-0134-1d6e-0050569601ca-9#?c=0&m=0&s=0&cv=0&r=0&xywh=-274%2C0%2C3546%2C1949
ただ、この写本も十七巻以上ある小説のおよそ2巻分だけの端本零本である。
しかし、これ以後360年間、より良い写本は発見されていないようなので、これをもとにするしかない。

一方、断片の間を補完する補作偽作が「新しい写本が発見された」というふれこみで何度も発表された。
フランス人 Nodotがユーゴスラビアのベルグラードで発見したと称して1693年にロッテルダムで刊行したものは特に有名で、筋がわかりやすくなっているため、このテキストを翻訳したものも多い。上の1902年のパリ出版の英訳もこのNodot版をもとにしているようだ。他にスペイン人 J. Marchenaがスイスのザンクトガルレン修道院で発見したと称して1800年に刊行した偽作もあるそうだ。
***

posted by 山科玲児 at 10:22| Comment(0) | 日記

2017年07月21日

クリスティーズと巻子本のあつかい



藤田美術館の六龍図巻などの巻子本を紹介する動画があった。布で包んだ保存法がいかにも清朝宮廷風で良かった。

日本だと一本一本別々の箱にいれるのが普通だが、清朝のやりかたは必ずしもそうではなく、布で包んだ数本を大きな箱
にいれることが多いようだ。勿論、そうでない場合もある。

ところで、この動画で担当の女性が絵にじかに指・爪をつけているようにみえる。これはいかんだろう。
Chinese Art Specialistだということだが、こんな扱いが欧米では標準なのだろうか?
しかも濃いマニュキュアをした指ですよ。
欧米でも素描や水彩などは当然、指跡がつかないように扱うだろうに、どうなっているのだろうか??


青銅器  陶磁器なども含めた紹介動画はこちらです。
http://www.christies.com/features/Important-Chinese-Art-from-the-Fujita-Museum-7942-3.aspx
posted by 山科玲児 at 08:18| Comment(0) | 日記

2017年07月20日

藤田美術館売り立ての六龍図巻


陳容の龍の絵を検索していたら、藤田美術館 売り立ての中で最も高価だった六龍図巻が検索
にひっかかった。、落札価格は4千896万ドル(約56億円)
まあ、この価格でガラクタということはないだろうから、悪くはないものなんだろう。
http://www.art-annual.jp/news-exhibition/news/65433/

ただ、不思議なことに、藤田美術館にこういうものがあるという事自体、殆ど知られていなかったのではなかろうか?
と思う。相当貪欲に中国絵画を見て回ったつもりの私も全く知らなかった。個人所蔵なら、ともかく奇妙なことではある。

2016年09月27日に、
藤田美術館 クリティーズで売り立て
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/177042669.html
でニュースとして知っていたのだが、まさかこういう話題になるとは思わなかった。

基本的に藤田は、日本美術の佳作と曜変天目を含めてお茶関係の佳作を集めたところで、中国美術は見劣りがしていたので、
致命的な損害にはならないと思っているが、日本経済のデフレからの回復は未だという感じを再度おもうところである。

posted by 山科玲児 at 09:21| Comment(0) | 日記

2017年07月19日

九龍図巻


Boston Nine Dragons.jpg

美術館で開催予定のボストン美術館展で


南宋  陳容
九龍図巻


が公開されるようです。
まあ10mという長いものなので(さらに5mほど跋や題字がつく)部分しかみることはできないでしょうけれど。

当方は、昔横浜で観たときに、その生々しい筆致と古画としての貫禄にうたれました。
それで、別の部分もみたくて二回いきました、


陳容の龍の絵というのは、いろいろあるんですが、大抵は模写かどうしようもない偽物か間違いで
本物とされているのは、ただこのボストンのものだけです。

まあ、あとはカンサスのもの、御物ぐらいかな、多少よいものは。

題字も米フツ風の行書であり、宋人の書としてふさわしいものでしょう。

神戸と名古屋にも巡回するようですね。ただ、展示の出入りがあるかもしれません。

神戸会場
会期:2017年10月28日〜2018年2月4日
会場:神戸市立博物館

名古屋会場
会期:2018年2月18日〜7月1日
会場:名古屋ボストン美術館

posted by 山科玲児 at 09:36| Comment(1) | 日記

2017年07月18日

ブリューゲルとロヒール

Cornelis Cort  engraving  Rogier van der Weyden.JPG

ブリューゲルの世界  森洋子  とんぼの本
http://www.shinchosha.co.jp/book/602274/
  これはとても良い本なんですが、
十字架を運ぶキリスト (ウイーン美術史美術館)
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Procession_to_Calvary_(Bruegel)
の批評 p64−85
の前景右の「嘆きの聖母とヨハネと女たち」のグループについて、
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Pieter_Bruegel_the_Elder_-_Christ_Carrying_the_Cross_(detail)_-_WGA3471.jpg

>「ロヒール ヴァンデア ワイデンの『十字架降下』(これにもとづきコルネリウス・コールトが彫版された版画を通じて?)の深い宗教性を、この画面に意図的に重ね合わせたと考えられないでしょうか。」

と書かれていますがちょっと違うかなあ、、
ロヒール ヴァンデア ワイデンの『十字架降下』は、
PRADO Rogier  van der Weyden  The Descent from the Cross
https://www.museodelprado.es/en/the-collection/art-work/the-descent-from-the-cross/856d822a-dd22-4425-bebd-920a1d416aa7

という身震いするような傑作です。ブリューゲルが十字架を運ぶキリストを制作していたころには、もうスペインへ輸送されていましたが、巧妙な模写がルーヴァンの教会にあったはずだから、それを観ることはできたと思いますし、再模写されたものを観たのかもしれません。

ただ、コルネリウス・コールトが彫版された版画(イメージ)は、ちょっと貧弱過ぎてブリューゲルが模範にしたとは思えません。

どっちかというと、
ゲントにある絵(画家の推定は今は、グース)や
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Justus_van_Gent_-_Calvary_Triptych_left_detail.jpg

ブリュージュにある絵(無名画家の作品:下イメージ)のようなもののほうが近いんじゃないかなあ。。

 森洋子さんは十六世紀ブリューゲルの周囲に集中し過ぎて、ちょっとファンアイクやロヒールやメムリンクやヒューホー ファンデアグースなどには、関心が薄いのかな?

calvery  st salvator master of brugge.jpg



posted by 山科玲児 at 08:17| Comment(0) | 日記

2017年07月17日

運慶の一族郎党

運慶  願経.jpg

 なんか

があるそうです。

    まあ興福寺北円堂の  世親 無著・ 2体は、興福寺よりも美術館のほうが鑑賞には良いように思ってます。これは光のことと頭部の彩色が剥落しているので、お堂のなかだとどうも見栄えがしないことが問題じゃないかなあ、と思っております。

  その運慶一族郎党が奉納した法華経の写経(イメージは部分)があって、その末尾に延々と名前が書いてあるのが興味深いものです。

  快慶や康円はいうまでもなく、女性の名前(奈良女など)、更に、太郎丸、次郎丸、熊王丸、乙王丸など、御伽草子や狂言にでてくるような名前の人々が、当時は本当にいたんだな、と感慨が深いものがあります。高精細イメージを
wikimediaに投稿しておきましたのでご閲覧ください。
posted by 山科玲児 at 12:27| Comment(0) | 日記

アルハンブラ宮殿の動画

ALHAMBRA 1965 ss.jpg

この イメージに使った本というよりアルハンブラの写真集
Forma Y Color Los Grandes Ciclos Del Arte: La Alhambra: La Casa Real. Gomez ... Published by Editorial Albaicin, Granada, Spain (1965).
ですが、
当方は神田で1000円ぐらいで買ったのかなあ??

そのアルハンブラ宮殿ですが、紹介動画が色々あるようです。
Alhambra - Granada, Andalusia, Spain in HD - YouTube(十五分ぐらい)

が手頃じゃないでしょうか?伴奏音楽も雰囲気あって良いようです

じっくり細かくみるには一時間という長尺の動画
英語版
The Alhambra: From the Sultan Palace, to the legend. (Granada - Spain) Audio in English
同じもののスペイン語 たぶんこちらがオリジナル(声がいいし)
Alhambra - Granada, Andalusia, Spain in HD - YouTube

 アルハンブラ宮殿て、外観は平凡にしかみえません。なんか南欧ロマネスクによくある大きな城や修道院みたい。 ところが中庭や内部は精妙で面白い。
 フランスで半生以上を過ごしパリの自宅で逝去された画家の田淵 安一(たぶち やすかず、1921年5月20日-2009年11月24日)氏の文明論・旅行記 西欧人の原像  1976年、人文書院
に、アルハンブラ宮殿をキリスト教西欧とは全く違うもの、むしろ茶室のような瞑想にいざなうものとして賞賛する文章がありまして、よく憶えています。ただ、動画でみる限りは、本当にそうなのかなあ? あまり賛成できないなあ、と思うところですが、実際に行ったわけでもありませんしね。




posted by 山科玲児 at 08:17| Comment(0) | 日記