相対論の正しい間違え方 (パリティブックス)
松田 卓也 (著)
(著), 木下 篤哉
(著), パリティ編集委員会
http://www.amazon.co.jp/dp/4621048929 を借りて来て読んでいるが、なかなか面白い。
ただ、この面白さは、大学で一応 特殊相対論の講義を受けたか、本で独習した人でないとわからないだろう。その程度の素養は前提としている。
ただ、だからいけないというものではないだろう。聖徳太子の法華義疏は法華経を熟知していることを前提に書かれている。だから法華経の本文はない。だからといってダメだということはない。どの本でもある程度の前提というものがある。極端なことをいうと日本語の本は日本語が読めることを前提としているわけで、英語でないからダメという、ひょっとしたらTPP信者なら言いかねない論理など通らない。
SF作家の
石原藤夫が書いていた、相対論的光学の問題もとりあげられている。ローレンツ短縮が実際にはどう「みえるか」という問題だ。
ここで面白いのは、いわゆる相対論の問題とされていることが、光速有限の19世紀物理で、かなりの部分は解釈できてしまうことである。勿論、相対論での量的補正はあるのだが。
また、「相対論は間違っている」というプロパガンタ本を出す人に、TPP賛成論者や日本財政破綻論者、原発推進派などと同じ論理構造なのが笑える。全く非論理的であまり数字を出さず、自分の議論のなかで矛盾していても無視し、最後は感情・信仰に逃げるのだ。
こういう本で、顔文字がときどきでるのが、またほほえましい。