2012年12月31日

曜変天目

曜変天目 藤田A.JPG


藤田美術館の曜変天目の著作権が消滅したカラー写真があったので、Wikimediaに投稿した。イメージは部分::
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:YOUHEN_TENMOKU_bowl_FUJITA.JPG
これは、なかなか深遠な感じを与える天目釉で、私としては、静嘉堂文庫美術館
の稲葉天目よりも好きである。

 こういう曜変天目の陶片が杭州の南宋皇宮跡で発掘されたという伝聞があるようだが、写真すらみていないので、なんともいえないねえ。。

一方、

静嘉堂文庫美術館では、1月22日から、曜変天目をだすようである。

 曜変・油滴天目 −茶道具名品展− 
2013年 1月22日(火)〜3月24日(日)
  http://www.seikado.or.jp/010100.html
posted by 山科玲児 at 20:25| Comment(0) | 2012年日記

中国空軍の全貌


  ロシアの空軍 研究者 イエヒム ゴードンYefim Gordonとドミトリー=コルサコフによる中国空軍の飛行機を網羅した図鑑がでているようだ。英語版で、かなり優れたものらしい。個々のデータについてはより深いより正確な資料があるのだろいうが、こういう網羅したものは珍しいのではないか?
 自衛隊や関係者はとっくに入手/研究しているだろうが、不勉強な新聞記者などはちゃんと読んでおくべきだろう。出版社は軍事関係の出版が多い英国の会社のようだ。

amazonで「通常1ーー3週間以内に発送します。」になっているようだが、入手可能な一般書である。

Chinese Air Power
http://www.amazon.co.jp/Chinese-Air-Power-Organisation-Aircraft/dp/1857803213/ref=sr_1_2?s=english-books&ie=UTF8&qid=1356906876&sr=1-2

 実は、この情報は、東方書店の広告誌「東方」最新号で知った。なかなか役に立つ雑誌なので定期購読している。基本的にロシアの飛行機のライセンス生産、パクリ、改良型が多いようだ。ロシア人としては忸怩たるものがあるだろう。
posted by 山科玲児 at 07:49| Comment(0) | 2012年日記

2012年12月30日

ローソン夫人の受勲


 1昨日取り上げた ローソン夫人は2002年に英国王室から受勲しているようですね。
a Dame Commander of the Order of the British Empire という称号というか勲章をもらっているようです。ナイトではなくてダームDAMEなのね。女性の尊称が古フランス語なのが、いかにもいかにもです。

 この勲章をもらった女性のリスト
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Dames_Commander_of_the_Order_of_the_British_Empire
 をみていたら、パルサーを発見した天文学者:ジョスリン=ベルもいました。この人は一時冷遇されていたみたいだけど、国際世論が沸騰したせいか、ちゃんと名誉回復していたんだなあ、と思います。

タグ:英国 王室 受勲
posted by 山科玲児 at 10:28| Comment(0) | 2012年日記

2012年12月29日

中国の再版

りょうさい志異IMG_7202 (1).JPG



 聊斎志異の古書だが、左のほうは、但雲湖氏が道光年間に広州で刻された版木を使って咸豊年間に刷ったものである。右は、上海で光緒年間に掃葉山房が出版した再版本(オークション  サイトからの借用)である。

 なんというか、文字の配置、形まで異常によく似ているが、よくよくみると、文字の形が違うところが散見されるので、同じ版木で刷った再刷ではなく、版木を作り直した再版らしい。

 それにしても、もとの版木を再利用したのでなければ、ここまで精密に同じものを作り直す必要はないようにも感じる。 ただ、印刷本を貼り付けて被せ彫りしたりするのかもしれないし、文字を彫る職人自体が文盲である可能性なども考えると、こういうデッドコピーのほうが合理的なのかもしれない。
 あるいは、ほんとに古い版木を修理して使っているのかもしれない。埋木というやりかたで修理できるから。
 
 同様な 版型・文字そのものの継承は、南宋蜀刻本 李白集が何度も復刻された際にもみうけられる。


posted by 山科玲児 at 10:28| Comment(0) | 2012年日記

2012年12月28日

論文をパクル中国人

2012年11月10日に、とりあげたOrientations 2012 NOV/DECの末尾に、ボストン美術館の研究員、Nancy Berliner が面白い記事を書いていた。英語で書いて発表した論文が、いつのまにか中国語に訳されて、中国人の論文として中国や台湾で発表されることが、しばしば起こっているというのだ。

 それを、枕に中国美術における「臨、模、倣」の問題について話しているのだが、米国の人もやられてるんだなあ、、と思った。
 私の論文もきっと、いつのまにか中国人のものになっているかもしれないねえ。。

  そういや、ポアンカレ予想の解決でも、中国人数学者が手柄を横取りしようと暗躍したのは有名だったな。
posted by 山科玲児 at 09:37| Comment(1) | 2012年日記

池田信夫は本を読まない


古い話ですが、未だに、結構、無責任な言論活動をやっている池田信夫の話を蒸し返してみます。

池田信夫 ブログ
http://agora-web.jp/archives/1461338.html
>しかし高橋はケインズの理論に一度も言及したことがない。

どうも、池田信夫 先生は、高橋是清のさして多くない著作自体、 読んでいないようですね。

高橋是清は「随想録」(中公クラシックス)収録の「物価を安くする法」に「ケーンズの説は総てを承伏することはできぬ.。あれは英米資本家の説が加はって居ったものと推断する余地が充分にある。」と書いてます。

この、財務官僚出身、内閣参与の、バリバリ財務省フィルターがかかった松本崇 の本
恐慌に立ち向かった男 高橋是清
http://www.amazon.co.jp/dp/4122056047

を推薦していること自体、噴飯ものですが、ひょっとしたら、この本自体も、まともに読まないで書評しているのかもしれない。この本はけっこう手強いデータの多い本で、ある意味では良書ですから。

池田信夫は、他でも、「本をろくに読まないで 書評する」、「第1章しか読んでないのが暴露された」というような噂が多い人なので、「また、あの池田信夫か、、」と言うのが、常識なのかもしれません。

posted by 山科玲児 at 08:18| Comment(3) | 2012年日記

2012年12月27日

揚げ中華餅

揚げ中華餅2.JPG


イメージのものが慶華園 http://keikaen.net/ で出している揚げ中華餅である。
砂糖と調味料がまぶしてある。
やはり揚げ物は料理屋で食べるほうがおいしい。
自分でやるとベタベタになってしまう。

中華餅については
今年の3月30日にも書いたが、
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/54710140.html

昨日、福建にいったら、売っていたのでまた1本買ってきた。これは季節限定商品で寒いときにしか作っていない。

福建
http://www.nagasaki-chinatown.com/tenpo/fukken/fukken.html
posted by 山科玲児 at 07:30| Comment(0) | 2012年日記

2012年12月26日

ジェシカ ローソン

Jessica Rawson.JPG


 オリエンテーションズの最新号は、英国の東洋美術研究者ジェシカ ローソン夫人Mrs Jessica Rawsonの七〇歳紀年 特集である。
 表紙は1972年の写真だから三〇歳のローソン夫人である。これはきつい顔だが、他の写真をみると、ずいぶん綺麗な人当たりのいい人なんだろうな。と思わせるものがある。1975年のロンドンでの大規模な古玉展にも名を連ねているので、そうとう若いころから名をあげていたのだろう。

 ローソン夫人の著書というと大英博物館の中国美術ガイドブック
The British Museum Book of Chinese Art
http://www.amazon.co.jp/The-British-Museum-Book-Chinese/dp/071412446X/ref=sr_1_2?s=english-books&ie=UTF8&qid=1356479636&sr=1-2
がまず思い浮かぶ。

 どうも古美術のみかたが少し違うなと思ってあまり読まなかった本だ。
  また、サックラーコレクションの青銅器図録編集というのも、これだけ大きな本を出す意味があるのかなあ、と思ったものだった。まあ、財団の意向が大きいのだろう。
 なんというか、鋭い鑑識や美意識、時代性に対する感覚というよりも、古美術をもっと別のアングルからテーマ研究、図像研究,民俗学のようにあつかうようなセンス、、こういう見方は1990年代から流行ったように思うが、そういう感じがうかがわれる。

  まあ、あまりきつく鋭い意見の見方の人物:下手をすると独善に陥ってしまう可能性すらある人物より、少し大きく構えて、やや甘い感じではあるが応対する人物のほうが ディレクターとしては優秀なのかもしれない。

  ただ、下手をすると理論が砂上楼閣になる危険もある。

  中国古代美術を中心に研究した夫人のインタビューの最後の写真が、A momennt of Reflection(沈思の時)と題された、「日本」の秋景を和室から観る夫人の後ろ姿であったのは、興味深い。やはり中国美術は色々な意味できついものだから、ローソン夫人でも、日本文化の安息に触れたくなるのだろうか?



posted by 山科玲児 at 10:09| Comment(0) | 2012年日記

2012年12月25日

レリーフ拓本の贋作

神鐘天人.jpg


某所でみたんだが、新羅の聖徳大王神鐘の天人レリーフ拓本にも偽物があるようである(イメージ右)。本物(左)と比較すれば一目瞭然なのだが、遠目ではまちがえそうだ。なにせ、これはとても大きな拓本だからね。


聖徳大王神鐘
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Korea_south_silla_bell.jpg
posted by 山科玲児 at 17:34| Comment(1) | 2012年日記

2012年12月24日

ハトシ

ハトシSN3.jpg

長崎の中華料理にハトシというのがある。イメージのは慶華園のものだ。エビのすり身をパン挟んで揚げたものだが、何語なんだろう?と思っていたが、広州の蝦多士(エビのトースト)からでているようだ。

変な話だが、このハトシ、40年前の長崎では「北京料理」を売り物にしていた「平和楼」の名物料理だった。いうまでもなく、ハトシが広東語なんて全く当時は知らなかった。

今はハトシロールとか色々なものが開発されていて、パン屋さんでもだしているところがある。

posted by 山科玲児 at 17:46| Comment(0) | 2012年日記