2017年03月16日

東京国立博物館の伯遠帖

ミュージアムニュース 219 ss.jpg


 乾隆帝が三希として紫禁城養心殿の三希堂に蓄えた、快雪時晴帖、中秋帖、伯遠帖のうち、伯遠帖
の臨写本が東京国立博物館にある。
  昔みたことあるし、
  あの王羲之展 
   http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1569
  でも公開されました。
 これは、無理に紙を染めて古くみせかけたもので、なんか偽物臭があるものなんで、あまり良いものではありません。原本は北京故宮博物院所蔵品で、上海博物館の特別展で実物をみました。唐時代の臨写本のような感じがしました。
  なんか、この春のあるオークションで似たような王羲之一門模写本が出品されているようだけど、いくら中国人でもあまり値段はつけないんじゃないかな。

 ところが、これが、昭和40年8月に国立博物館ニュース219号(イメージ)で紹介されたときには、なんか本物みたいな紹介だったんです。当時、情報がなかったから混同したのかな。
 昔の文献で国立博物館の刊行物で大先生が書いていても、一応批判的に読む必要があると思っております。
  
ソース  国立博物館ニュース  縮刷版 210号〜205号、東京国立博物館、昭和47年
posted by 山科玲児 at 10:19| Comment(0) | 日記

ルソンの壺

ルソン壺 松平.JPG


  ルソン介左衛門 が、フィリッピンから輸入して大もうけしたという「ルソンの壺」がどういうものであったのかは、よくわからない。
ただ、茶人・蒐集家で有名な 松平不昧公(本名 治郷)(1751年3月11日-1818年5月28日)の旧蔵とされるルソンの壺の写真があったので、ちょっと紹介してみる。
  ううん、こういうものだったのかな? あまりたいしたことないなあ。こういうのがワビサビ?
ソース;洗研 第一期 第4輯 1950 April15 

タグ:茶道 ルソン
posted by 山科玲児 at 09:45| Comment(2) | 日記

ジーバーベルクのパルシファルがyoutube

Parsifal Movie Syberberg.JPG


日本初公開時にみて、その斬新な演出に大きな影響を受けた
ハンス=ユルゲン・ジーバーベルク (1935年12月8日−)監督の
オペラ映画 パルジファル(1982年)
がYoutubeで観ることができるようである。多少左右が切れているがそれはしょうがない。
  LDを買ったり、あまりできのよくないDVD(イメージ)を買ったりしたのが夢のようである。
  これには、音楽の演奏がよくないというクレームがあるようだが、主な価値は演出のすごさにあるので、まあ音楽は、他の演奏で聴いてください。古くは、クナッパーツブッシュ、最近ではティールマンの演奏が良いようである。

Parsifal 1982
https://www.youtube.com/watch?v=0YRKqCjW1Lw
全4時間強なので、PC前で縛り付けられているのはどうかと思うふしは、
 イントロと序曲部分 20分だけで十分、この奇想に満ちた演出を感じることができるだろう。
  序曲の末尾で、眠っている少年と少女のうち、少年が立ち上がって去っていき、少女が眠っているところがクローズアップされるところはまことに忘れがたいものだった。

 はっきり言って著作権的にはダメなので、そのうち消えると思うが、知らない人には推薦したい。
なぜかクレジットが最初にでるのが面白い。
 この映画はドイツではなく、フランスの Erato  Gaumontが制作したものである。
独映画ではなくて仏蘭西映画なのだ。

やはり、言論弾圧がきついドイツでは制作しずらかったのかもしれない。
ハンス=ユルゲン・ジーバーベルク (1935年12月8日−)監督は、 東京のドイツ映画祭で、ルートヴィヒII世のためのレクイエム(1972年)という変わった映画を観て記憶には残っていたが、そう高く評価していたわけではなかった。このパルジファルで、私にとっては、尊敬する巨匠になった。

  フィンランド映画:十万年後の安全は、フィンランドで始まっている核廃棄物の最終処分を地下深く500m、十数億年前の古い地層の岩盤の中に10万年保存しようというプロジェクトのドキュメンタリーである。マドセン監督
https://www.youtube.com/watch?v=b1_K9Tu9rWw (予告編)
  このフィンランド映画をYoutubeで観たとき、ジーバーベルクの「パルシファル」を連想した。
 ひょっとしたら、マドセン監督は影響を受けていたのかもしれない。

posted by 山科玲児 at 08:36| Comment(0) | 日記

2017年03月15日

呉彬 怪石図巻の複製

Wu Bin Sotherbys.jpg




 呉彬は福建省出身で明時代の萬暦時代に活動した画家ですが、彼の大きな巻物が27年前、1989年12月にニューヨークのサザビーズ  オークションに出現しました(イメージ)。記録としては1970年ごろのケーヒルの論文にも出ていたのですが、写真図版が出たのは、このオークションが最初でしょう。高さ55cm 長さ9.5mという長大な巻物で、呉彬の絵が10点、呉彬のパトロンだった明末の有名人&書家:米萬鐘の長文の題が多数ついています。
1989年で121万ドル 約一億6000万円?ぐらいの落札価だったので、高価な中国画として当時 一部で知られていました。

呉彬の変わった絵画は、台北國立故宮博物院での特別展があり、当方も観に行きました。

この巻物は怪石図巻というべきものですが、 「厳壑奇姿(ゲンガクキシ)」という名前がついてます。
当時カタログを観たときは怪石ファンの米萬鐘が収集した10個の怪石を描いたものと思っていましたが、実は1個の怪石を10の方向から描いたものなんですね。これは一つの怪石の十の肖像画です。すごくディープなものですね。

  この巻物は美術館ではなく個人コレクターか法人のものになっていた・なっているようです。そのためかその後あまり公開されていなかったのですが、最近 豪華複製本(限定三〇〇部)が出たようです。
香港の英文 古美術雑誌 Orientationsの最新号(vol.48 No.2 March/April 2017)の広告で知りました。
ただ、1,500ドル、16万円という価格ですから、おいそれとは手をだせないものですね。ただ、日本なら16万円なら巻物/巻子本の形で複製するのではないか?と思いました。これは一応大きな本の形になっていますね。
動画もあって、これが面白いので推薦しておきます。 
https://player.vimeo.com/video/207078844

 普及版の研究書も出版されているようですが、呉彬ファンの私もここまでは買わないかもしれないなあ。この絵自体は問題のない真蹟だと思いますし、なかなかな傑作だと思いますが蒐集家主導の本みたいなので、あまり批判的な厳しいみかたは書いてないかもしれないと危惧しているのです。
 方聞教授の本はたいていそれで、ほめるのはいいとしても深い考察がなくて、美しいカラー図版を観るだけの本が多かった。この本には方聞はかかわっていないようですが、なんとなく危惧しています。



REF.
sotherbys fine  chinese paintings  new york
dec.6th  1989
posted by 山科玲児 at 08:03| Comment(0) | 日記

2017年03月14日

中国が日本でのオークションを中止させた



  昨年のことですから、古い話になりますが、先輩からきいて最近知ったので、少し書いてみます。
  昨年10月末に西新宿で開催予定の西域収集出土文書壁画断片のオークションが、

書画など競売に中国国家文物局が「待った!」 「違法に強奪された」と指摘
http://www.sankei.com/world/news/161103/wor1611030048-n1.html

 

  どうも、ここでオークション会社が引き下がったのは、この横浜国際オークションは中国人むけのオークションであり、中国人富豪や中国政府の代理人に入札してもらうのが目的だから、敬遠されたり、中共当局から入札禁止指示がでては元も子もないので従ったということではないか、と思います。経営者もチャイニーズです。国籍はわかりませんが。

実際、この横浜国際オークションのサイトでは、次のように述べていますから。

 弊社は、中国美術品・文化財の中国への回帰という時代のニーズに応じるため、2011年5月にオークション会社を設立致しました。
 同年9月よりオークションを開催し、回を重ねるごとに大変ご好評を頂いております。
これもひとえに皆様方のご配慮、お力添えあってのこと、心より感謝申し上げます。 

 引用元:会社概要 | 横浜国際オークション  代表  張樹[土敦]
http://www.ykauction.com/greeting_jp.html

 また、中国国家文物局が、こんなことをやったのは、以上の事情から簡単に脅せると思ったことと、現在中国が外貨不足に陥っているから、上層部から外貨を減らさないようにという指示を受けているからではないでしょうか。昔なら、富豪が落札して中国国内の大学や図書館や美術館に寄贈するというような形にするでしょう。実際、ドイツ銀行が華夏銀行株を売った代金を人民元からユーロに一括で変えられなかったり、在中国日本人が貯金を日本円に両替できなかったりする事件が既に報道されています。

 ところで、ここで「敦煌」と言ってますが、オークション予定の文化財の明細〔中文  簡体字〕をみると敦煌からの文化財だけじゃないみたいですね。クチャやトルファンじゃないですか? これは大谷探検隊将来品だということだそうです。
 大谷探検隊の橘氏などは、発掘または買い集めたはずで、「略奪」とは、ひどい侮辱です。
 このままだと、英 仏 独 露 米をはじめ他国にある中国文化財は、全て略奪品になってしまいそうですね。


posted by 山科玲児 at 11:52| Comment(0) | 日記